FM-TOWNS 7年間の歴史
ここではFM-TOWNSが登場してから、現在までを振り返ってみようと思います。
え?何でそんな事をするかって?
ただなんとなくです(笑)けっこう知らない人もいるんじゃないかなぁ・・・・・
1989年~1994年(5月) 1994年(6月)~1996年
フリコレパーティ 富士通のCMガール 開発ネーム TOWNSの教育モデル
富士通の32ビットパソコンTOWNS登場(1989年2月28日)
電脳遊園地in東京ドームHYPER JUNGLE(1989年12月9~11日)
電脳遊園地in東京ドームMEDIA POLIS(1990年12月15~17日)
電脳最前線’91in東京ドーム ハイパーステーション(1991年12月6~8日)
486搭載一体型モデルUR登場/TVにつなぐMARTY登場(1993年2月15,16日)
電脳マルチメディアランドinプリズムホール(1993年11月13・14日)
日本IBMからTOWNSアプリケーションカード発売(1993年末)
1989年2月28日、初代FM-TOWNSモデル1/モデル2の2タイプが
登場しました。その日の東京秋葉原は、まさにTOWNS一色でした!
モデル2のスペックは、CPU80386(16MHz),メインメモリ2MB,VRAM512KB
CD-ROM,3.5インチFDD2基,ICメモリーカードスロットを装備と「MARTY」
とほぼ同等のスペックです。モデル1はメインメモリ1MB,3.5インチFDD1基という構成です。
そうこうしているうちに、3月10~12日には東京ドームで「電脳遊園地」が開催されます。
TOWNSよりもただで東京ドームに入れるということに釣られて集まっていたような気も
しますが、3日間で18万人という入場者を集め、たいへんな盛況でした。
この年富士通はTOWNSを、8月13、14日に晴海で開催された漫画/アニメ関係
同人誌展示即売会コミックマーケット、通称「コミケ」にも出展しています。
晴海でのコミケは、国内最大規模のもので、参加サークル数は1万を越え、
パソコン系のサークルも数多く参加しています。ここに目を付けた富士通は
このコミケにTOWNSを持ち込み、漫画/アニメファンにTOWNSのアピールを
行ったのです。これに味をしめたからかどうかは知りませんが、富士通は
同年12月23、24日に幕張で開催されたコミックマーケットにも出展しています。
TOWNSの本体の売れ行きも好調で、2月28日の発表からわずか1ヶ月あまりで
出荷数は1万2千台に達しました。これに気をよくしたのか、
富士通は初年度販売数10万台を目標に揚げました。
結論から言うと、初年度10万台の目標は達成できなかったのですが、12月末の時点で
累計出荷台数は5万台に達しました。全くの新機種が初年度でこれだけ売れたのは
まずまずの好成績であったと言えるでしょう。
初代TOWNSは当初の予定では1988年に登場するはずだったのですが
諸般の事情で発売が翌年にずれこんだため、1989年春に初代が、
同年秋に2代目TOWNSが登場することになります。
カタログ上のスペックでは、初代TOWNSと2代目TOWNSの違いは、
メモリの最大搭載量が6MBから8MBに増えた点と、SCSIインターフェースが
内蔵された点ぐらいで、その他の基本スペックで大きく変わった点はありませんでしたが、
ハードディスクモデルが登場したことは大きな特徴でした。
ちなみに、CD-ROMの蓋を開けるボタンを半分押し込むとCD-ROMの回転が
止まるという仕様は、この2代目から採用されています。
今でこそCD-ROM付きのムックや書籍は普通に見かけますが、
5年前にすでにCD-ROM付きのパソコン雑誌があったのです!
その雑誌とは、TOWNSユーザーなら知らない者はいない「Oh!FM-TOWNS」です。
まぁ、5年前は名前が違いましたがいいでしょう(笑)
正確には付録ではありませんでした。というのは、出版業界の制約からCD-ROMは
雑誌の付録として認められていないために、CD-ROM引換券が付録として
付いていました。内容的には、TOWNS用フリーソフト/市販アプリケーション&ゲームのデモ
FMシリーズのハードウェア/ソフトウェアの紹介などがありました。
1989年10月から変更になっています。正式に切り替わったのがいつなのか
解りませんが、今の無限マークのようなものが付いたロゴはこの頃登場しました。
2代目TOWNSの発売にあわせ、東京ドームを借り切って電脳遊園地が、
12月9~11日の3日間にわたって開催されました。
日本ソフトバンクのブースでは、プログラムのコピーサービスが行われていました。
このコピーサービスしたプログラムというのは、TOWNS用ではなく、
7/77/AVシリーズといった8ビットパソコン用だったのです。
TOWNSの一般ユーザー向けの開発環境は出たばかりで、TOWNS用の
フリーソフトウェアというのはまだほとんどありませんでした(;_;シクシク
TOWNS893プログラマのバイブル、FM-TOWNSテクニカルデータブック、
通称「赤本」の初版が12月15日に発行さました。
赤本はのちに2代目/3代目/CX/UXの仕様変更部分が追加された
改訂第2版が出ています。
1989年末から実験運用がされていたビジュアル通信サービス、
富士通Habitatが1990年2月10日にサービスが開始されます。
実験中はいろいろな障害がありました。
一つには、スプラッタ現象(アバタの体を構成する部品が画面上の
あちらこちらに四散してしまう現象)というのがありました。
また、オラクル(Habitat内での神様のような存在。一般のネットワーク通信の
SISOPにあたる)の悪口を言うと落ちる(電話回線が切れる)という噂もあったようです。
そうした苦労の甲斐あって、2月10日には無事開国することができたのです。
この日は富士通Habitat建国記念日とされています。
1990年10月30日、TOWNSの3代目、モデル80H/40H/20F/10Fが
登場しました。全モデルが標準搭載メモリ2MBとなり、ラインナップとしては
80MBのハードディスク内蔵モデルが加わりました。
3代目TOWNSの最大の特徴は、さまざまなオプションカードが装着できる
汎用スロットが初めて用意されたところです。
公式のカタログスペックは2代目とほとんど変わりはないのですが、
3代目は従来にはなかった4M/8MBという大容量拡張RAMモジュールが
装着できるようになっています。マウスの形状も現在の卵形になりました。
この頃、アスキーの某雑誌よりも軽量コンパクトなノートブックパソコン
「FMR-CARD」も発売されました。
1990年12月15~17日の3日間、3回目を数える
電脳遊園地in東京ドーム MEDIA POLISが開催されました。
目玉はなんと言っても、PSYGNSIS社のデモ「フラクタルエンジン」、これにつきます。
マイクロコズムやスカベンジャー4を生み出したPSYGNSIS社だけあって、
当時からデモの映像・演出は超一級品でした。
フラクタルエンジンは、この電脳遊園地でのお披露目から話題は口コミで広がり、
後になって独立して発売されるまでにいたります。
富士通(広報部)の発表によると、1990年12月末の時点でTOWNSの
累計受注台数は10万台を突破し11万台に達したもよう。
予定より1年遅れたものの、当初の目標であった10万台をクリアしたのでした。
最近の(ってもうこの雑誌ありませんが)読者は知らないかもしれませんが、
「Oh!FM TOWNS」という雑誌は、1991年8月号までは「Oh!FM」という
誌名でした。それが同年10月号にあたる号から「Oh!FM TOWNS」と
誌名を変更することになりました。
この号は、3.5インチフロッピィディスを付録に付けたことから、雑誌ではなく
ムック扱いとなります(新装刊No.1と呼ばれています)
このときに付いた付録が太っ腹FD平成1号で、スーパーシューティングTOWNS体験版、
高機能レイトレーシングシステム「newEASTRAY」、サウンドツール「HEat」、
高機能グラフィックエディタ「ニュー・トランスファーV1.1」等々、
歴代の太っ腹FDの中でもゴージャスさが際立った内容でした。
1991年11月5日、TOWNSⅡシリーズ、縦型TOWNSの継承モデルCX、
ディスプレイ一体型のコンパクトモデルUXが登場します。
当時、何故に「Ⅱ」かという疑問が湧きました。
ある富士通関係者の談によると、とあるオフコンⅡという名前を付けたら
売れたから、その験をかついでそうなったと聞いたことがあります(本当かどうかは知りません)
TOWNSⅡモデルCXは、初代から3代目までのデザインを継承した最後の縦置き
TOWNSです。初代TOWNSから隠し機能として存在していたメモリのウエイト外しが
正式に採用され(?)、互換モードと高速モードの2つの動作モードが用意されました。
互換モードではメインメモリに3ウエイト、VRAMに6ウエイトがかかっていますが、
CXの最速モードではメインメモリはノーウエイト(0ウエイト)、VRAMは3ウエイトと、
高速化することが出来るようになりました。
モデルUXは、CPUに386SXを搭載し、フロントローディングタイプのCD-ROMを
採用したディスプレイ一体型モデルです。
CPUが386SXに変更になった以外のスペック的な変更点はほとんどありません。
UXには拡張RAMモジュールを差すスロットが1個しか用意されていませんが、
この当時はすでに4M/8MBといった拡張RAMモジュールが低価格で出ていたので、
致命的な問題にはなりませんでした。
1991年12月6~8日の3日間、東京ドームの中で行われたフェアとしては
最後になった、電脳最前線’91が開催されました。
このときには東京ドームという場所のメリットも薄れ、もの珍しさで集まる入場者は
少なかったはずなのですが、予定の7万人を上回る8万人が動員されました。
また、一方では、教育に強いTOWNSの片隣が見え始め、親子連れや若い女性の
姿など、通常のコンピュータ関連のフェアではあまり見かけない層も目立ちました。
TOWNSの基本スペックは、当時なお他機種に比べても遜色(そんしょく)ない
最新のものでしたが、海外製の低価格/高速AT互換機が
次々と日本に上陸し始め、処理速度の点で他機種に見劣りが生じ始めました。
それを受けて登場したのが486CPUを搭載した高速型FM-TOWNSⅡモデルHRです。
このとき20MHzの386CPUを搭載したモデルHG、ディスプレイ一体型のUXの
後継にあたるモデルUGが同時に発売されています。
HR/HG/UGいずれもCPU以外の基本スペックの変更はほとんどなかったのですが、
CD-ROMドライブのシーク速度の向上、1.44MBのフロッピィディスクも
読み書き出来る3.5インチFDDの採用、フルカラーカード等の周辺機器の充実等、
目立たないところで改良・拡張が行われています。
当時、TOWNSの最高速モデルであったHRは、486SX-20MHzという
CPUを搭載しており、オーバードライブカードを装着することで486DX-40MHz相当
にまでパワーアップできました。1992年に登場したTOWNSの最大の特徴は、
デザインが一新され縦置き(目玉)TOWNSがなくなったことでしょう。
UGは一体型モデルですが、HR/HGは縦置きも可能とされているものの、基本的には横置きデザインです。
486CPU搭載一体型モデルUR登場/TVにつなぐMARTY登場
1993年2月15日、CPUに486SX-20MHzを搭載したディスプレイ一体型TOWNS
モデルURが発表され、翌日にはTVにつなげてCD-ROMアプリケーションを
楽しむというコンセプトのFM-TOWNS MARTYが登場しました。
1993年10月18日、富士通のAT互換機FMVシリーズが発表されました。
一部では、これでTOWNSがなくなるなどという訳のわからん話まで
飛び交えていましたが、直後のハイエンドTOWNSの発表でそんな心配は
吹き飛んでしまったのでした(しかし、実際は・・・・・)
これまでは基本アーキテクチャには変更を加えず、低価格化とラインナップの強化に
努めてきたTOWNSですが、ここにきてグラフィックとサウンド機能を強化した
ハイエンドTOWNSが登場しました。この年、発表されたTOWNSは
MX/MA/MEの3タイプで、それぞれハードディスクの有無/容量、
添付キーボードの違いで16モデルが一挙に登場しました。
全モデルに、倍速/マルチセッション対応のCD-ROMドライブ、
16ビット48KHzステレオPCM音源が新たに採用されました。
MX/MAは標準で1024×768ドットのハイレゾ画面と、
640×480ドットの解像度で1600万色の色が使えるフルカラー画面を装備したTOWNSの最上位機種です。
MEはグラフィック機能の強化は据え置かれ、低価格普及機として登場しました。
HR/HG/UGが登場した年は、毎年恒例のフェアが不況のためか東京ドーム内とは
いかなかったものの、東京ドーム前の「プリズムホール」で開催されました。
東京ドーム内で行われた電脳に比べるとこの年の電脳マルチメディアランドはやはり
地味な印象がありましたが、エンタテインメント/エデュケーションソフトを中心に、
Windows用ビジネスアプリケーションなどこれまでに蓄積されたTOWNS
アプリケーションを一堂に見ることができました。
1993年末、日本IBMから同社のパソコンPS/VのオプションとしてTOWNSアプリケーションカードが
発売さました。このカードは、AT互換機に装着してTOWNS用のアプリケーションをAT互換機で
動かすというものです。いろいろと問題もあったようですが・・・・・
TOWNS発売5周年を記念しFM-TOWNS Fresh等、
求めやすい価格のセットモデルが登場しました。
記念セットモデルは従来のMX/MAのハードディスク内蔵タイプに、
TOWNSシステムソフトウェア/MS-DOS/Windows3.1をインストールしたもと、
モデルMFという、MEのCPUを25MHzから33MHzに強化したモデルが登場しました。
さらに、MFの内蔵ハードディスクにTOWNSシステムソフトウェア/MS-DOS/
Windows3.1/OASYS-Winをインストールし、ディスプレイまでセットしたモデル
Freshも用意されました。